第一章『俺の始まりの日』

7/16
前へ
/93ページ
次へ
やっと全部倒し、一息ついた。   女は刀を鞘に収めて、俺を見た。   「お前は…なぜここにいる?」 最初に俺が口を開いた。 「魔人の気配がした。それだけだ。」 「…名は?俺はクロウ・セブルス。」 「私は…サクヤ・コールド。」   そいつは、それだけ言うと帰ろうとしていた。   なんかしっくりこない。 何かいつもと違う気がする   いつも俺が名乗った時は ……ああ、そうか   「お前、俺の名前を聞いて反応しないんだな。」   今までで、俺が名前を名乗って何も言わなかった奴はいなかった。  「何の話だ?」 「えっ…」   この世にセブルスを知らない奴がいたのか…。   …びっくりだ…。   と、その時、別の方向から声がした。 「お前があのセブルスの子か。しかもそっちはコールドかよ…ハハッ」 薄笑いを浮かべながら、男が立っていた。   ボロボロの布を身に纏った、見た目は俺と年がかわらないように見えるが、かなり年上のような雰囲気がある。   「誰だ?」 と、コールドは尋ねた。   「おっと悪ィ。オレはタイト・ケツジョウ。」 「俺達の事を知っているのか?」 「ん?ああ、だって俺等の親達は仲間だったんだぜ?」 「!?」 「…?」
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加