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「もったいねぇー。お前らと組めば生徒会も目じゃねーのに。」
タイトは髪をガリガリ掻きながら言った。
「生徒会?」
この男からは不似合いな単語を聞いたような…
「ああぁ…いい忘れてたが、俺はお前たちと同じユーブィズウォー学園の二年だ。」
「…マジで…?」
絶対に20代だと思ってた…
「高校生にしては老けてますね。」
と、サクヤが本当の事を言ってしまった。
ガーンガーンガーンガァン
頭上からたらいが降ってきて、頭に直撃した時のような音が、タイトから聞こえる気がする
…気のせいか…?タイトの目から水が出てるぞ。
「…。
この学園の生徒会ってのはこの町を守るためということで、襲撃してきた魔人どもと戦っているんだ。一応な。」
タイトの、まだ何か言い切れていないような顔を見て、俺が聞いた。
「一応とは?」
「…今は手を抜いてるって感じだな。オレも戦いたいんだが、どーも今の生徒会には入る気にならない。」
…だからか。俺は半年くらい前からこの街にいたのだが、近頃敵が以前に比べて増えていた。
「だからオレは自分で部活を作ろうと思ってな。今部員を引き入れてるんだ。」
「それで、部員はいるんですか?」
「いや、いないんだ…」
ガックリ肩をおとすタイト。
命がけの戦いになる。一緒に戦うような物好きはまずいないだろう。
「とにかく。俺は断――
ドオォォォォン!!!
「な、なんの音だ!?」
突如爆発音。
音のするのは…俺の家の方からだ…!
「あのアパートには…年寄りだって住んでいるんだぞ…!!」
俺は血の気が引くのがわかった。
そして、アパートに向かって全速力で走った。
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