174人が本棚に入れています
本棚に追加
何故に私がこんな事に巻き込まれるんだ…。
魔人が現れたような感じがしたのでここに来ただけだ。
なのに力を貸せ?
親同士が仲間だった?
意味がわからない。
今さっき、クロウ・セブルスと名乗った、常に不満げで額にバンダナを巻いた男が走っていった。
「さてと、オレも助太刀に行くかな…。サクヤ、お前も来いよ。」
この男はタイト・ケツジョウというらしい。
歳をごまかしているんじゃないかってくらい一般高校生男子に見えない。
「何?私は…
と、言いかけたところで、タイトさんは行ってしまった。
「はぁ…一体何なんだ…。」
―――ピクッ
なんだ?この感覚は?
体中の血がざわめく…!
キィン!!!
何者かに後ろから攻撃された。
それを刀で受けとめ、振り向いた。
「何者だ!?」
それは、頭に布を巻き、目にはゴーグル、口は服に隠れていて見えず、完全に顔を隠した異様な人物だった。
布から所々はみ出る真っ赤な髪だけが自身の物のようだ。
…なんか変な感じがする。
この血のざわめき…
異常だ…
「あんたは…もしかして…!」
赤毛の奴が初めて言葉を発した。
声の高さ、身長からしておそらく女だろう。
私の事を知っているのだろうか?
「何者だと聞いている。言わなければ斬る。」
「魔界から来たに決まってんでしょ。というか、アンタは…サクヤ?」
「!?なぜ、知っている?君は私の知り合いなのか…?」
私を知っている…?予想していなかった言葉に、少し戸惑う。
「知り合いもなにも…、生きてたんだ…。死んだかと思ってた。なんだ。」
皮肉気に言っているつもりのようだが、声が震えていた。
泣きそうな声。
この子とは一体どんな関係だったのだろう。
心が…痛んだ。
「あたしは今対界にいるから顔見せらんないけどわかるでしょ?」
「……ッ」
私は…
最初のコメントを投稿しよう!