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「わ、わからない…私は…わからないんだ…。…全て…何も…」
頭がグルグルしてる。
頭痛がする…痛い…痛い痛いイタイ…!!
「は?あんた…わかんないの?」
「ああ…。」
「じゃあ、あんたもあたしと対界に来なさい。そうすりゃわかる!対界はここよりも魔人は澄み心地いいし…」「わかるはずない!!!」
いつの間にか、かなり汗ばんでいた。
「私がなんで戦っているのか…対界とは何なのか…。だが、私が知ったところで意味がない。だからずっと私は地上で魔人を斬っていた。もともとそうだったから。」
「…あんた…記憶がないの?」
「ああ。」
私は、一年間しか記憶を記憶することができない。
どうやら呪いをかけられているようなのだが、なぜそうなったかもはわからない。
昔の事にふれると、必ず割れるような頭痛に襲われる。
唯一ずっと覚えていることは、自分の名前と記憶がないということだけ……
「あんたが地上の味方ってことは、敵同士ってこと?」
「…そう…だな。」
途端に、女はものすごい殺気を出した。
「残念。じゃ、殺すしかないね!!!」
「!」
女が、私に向かってスゴイ速さで腕を突き付ける。
瞬きをしたら、殺されるだろう。
そのくらいの速さだ。すぐさま相手の攻撃を刀で防ぎ、反撃する。
私とコイツの力はほぼ互角お互い攻防を繰り返す。
赤毛の女は、腕に鎧の篭手のようなものをつけている。
しかし、指先の方は金属ではない。
指から気を流出しているのだろう。
刃物のような役割をして攻撃してくる。
対して私は、刀を使う剣士。
しかし、記憶がない為流派がない。
自己流だ。
と、そこで女が攻撃を止めた。
「キリがない。これで終わらせてやる…!!」
女は私から離れ、腕を交差させた。
「なんだ…?」
「今にわかるわよ!無肖空斬!!!」
空気が切り裂ける音がする。
そして、その音はどんどん近くによってくる
――避けなければ死ぬ…!!
わずか一秒の間で思った。
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