第一章『俺の始まりの日』

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  「わ、わからない…私は…わからないんだ…。…全て…何も…」   頭がグルグルしてる。 頭痛がする…痛い…痛い痛いイタイ…!!   「は?あんた…わかんないの?」 「ああ…。」 「じゃあ、あんたもあたしと対界に来なさい。そうすりゃわかる!対界はここよりも魔人は澄み心地いいし…」「わかるはずない!!!」   いつの間にか、かなり汗ばんでいた。   「私がなんで戦っているのか…対界とは何なのか…。だが、私が知ったところで意味がない。だからずっと私は地上で魔人を斬っていた。もともとそうだったから。」 「…あんた…記憶がないの?」 「ああ。」   私は、一年間しか記憶を記憶することができない。 どうやら呪いをかけられているようなのだが、なぜそうなったかもはわからない。   昔の事にふれると、必ず割れるような頭痛に襲われる。 唯一ずっと覚えていることは、自分の名前と記憶がないということだけ……   「あんたが地上の味方ってことは、敵同士ってこと?」 「…そう…だな。」    途端に、女はものすごい殺気を出した。 「残念。じゃ、殺すしかないね!!!」 「!」   女が、私に向かってスゴイ速さで腕を突き付ける。   瞬きをしたら、殺されるだろう。   そのくらいの速さだ。すぐさま相手の攻撃を刀で防ぎ、反撃する。   私とコイツの力はほぼ互角お互い攻防を繰り返す。 赤毛の女は、腕に鎧の篭手のようなものをつけている。 しかし、指先の方は金属ではない。 指から気を流出しているのだろう。 刃物のような役割をして攻撃してくる。   対して私は、刀を使う剣士。 しかし、記憶がない為流派がない。 自己流だ。   と、そこで女が攻撃を止めた。 「キリがない。これで終わらせてやる…!!」 女は私から離れ、腕を交差させた。   「なんだ…?」   「今にわかるわよ!無肖空斬!!!」   空気が切り裂ける音がする。 そして、その音はどんどん近くによってくる   ――避けなければ死ぬ…!!   わずか一秒の間で思った。
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