第一章『俺の始まりの日』

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大きな、何かが崩れ落ちる音がする   隣を見たら、すぐ傍にあった木が倒れていた。 そして頬から血がつたう感覚がある。   「これを避けるとは。さすがあたしの…てことは殺すのも楽じゃないだろうし、面倒だからもう帰るわ。」   いきなりやる気をなくした女は何もないところに手をそえ"道"を出現させた。 対界へ続く道だ。私も奴と戦えば、ただではすまない。 そのまま見過ごすことにした。   そういえば… 「一つ聞いていいか?」 「何?」 「名は?」 「…擂彪(らいひょう)と言っとく。私の本当の名前は、あんたが記憶を取り戻したらわかるんじゃん?」 「…そうか。」     私が記憶を取り戻す…か。     ――――――――――――――
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