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大きな、何かが崩れ落ちる音がする
隣を見たら、すぐ傍にあった木が倒れていた。
そして頬から血がつたう感覚がある。
「これを避けるとは。さすがあたしの…てことは殺すのも楽じゃないだろうし、面倒だからもう帰るわ。」
いきなりやる気をなくした女は何もないところに手をそえ"道"を出現させた。
対界へ続く道だ。私も奴と戦えば、ただではすまない。
そのまま見過ごすことにした。
そういえば…
「一つ聞いていいか?」
「何?」
「名は?」
「…擂彪(らいひょう)と言っとく。私の本当の名前は、あんたが記憶を取り戻したらわかるんじゃん?」
「…そうか。」
私が記憶を取り戻す…か。
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