174人が本棚に入れています
本棚に追加
俺がアパートに行ったら、そこは火の海だった。
「助け…らんなかった…?」
絶望しながら見る事しかでない。
後ろから少し遅れてタイトが来た。
「おいおい。自分のために戦ってんじゃねーのかよ?」
「違ェよ。自分の信念の為戦ってるって意味だ。」
「同じだろ。」
「ああ?」
冷たく言うタイトに、かなり頭にきた。
そこに、
「仲間割れはよくないねぇ。お二人方。」
いきなり胡散臭そうな男が割り込んできた。
――この男がやったのか
すぐにそう思った。
同じ事を思ったのか、タイトがたずねた。
「お前がこれをやったのか?」
「これとは?何しろ今まで同じようなことをしすぎて何なのかわからないねぇ」
男はおどけながら答えた。
「…どうやらテメェは俺に殺されたいようだな。」
俺はの頭は怒りで煮えたぎった。
「てめぇではない。対界総合軍No.11の、爆鴎(ばくおう)という。」
爆鴎と名乗ったその男は、俺の言葉に乗ったかのように構えた。
俺は持っている二本のナイフを再度構えた。
が、そこでケツジョウが口をはさんできた。
「アイツは対界総合軍のNo.11らしいが?手を貸そうか?」
「対界総合軍とはなんだ?」
「対界の中心になっている軍隊だ。名乗っている番号の数が少なくなればなるほど強い。」
「どちらにしろ、必要ない。俺は今まで一人でやってきたしな。」
「二人いるんですかぁ。ならばもっと必要ですねぇ」
と、その瞬間、俺達を囲むように周囲に百人近い魔人が現れた。
「お前、ここにいるヤツら全員相手にすんのかー?」
「…」
認めたくないが、手を借りるしかないか…。
「頼む。」
「貸しってことにしといてやるよ。」
ニヤッと笑い、ケツジョウは言った。
「アナタ方、魔人を一人で倒せるなどと―「オラオラオラァァ!!!!」
タイトは、いきなりの咆哮と共に、近くにいた魔人数人を大剣で薙ぎ払い、魔人の群れにどんどん突き進んでいく。
最初のコメントを投稿しよう!