174人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は目をつむり、こっちに寄ってくる爆鴎の気配を感じ取った。
そして…
ナイフを勢いよく振り下ろす――!
肉を切り裂いた間隔が手に広がり、生暖かい血が俺に降りかかる…
それと同時に爆鴎の叫びが聞こえた後、爆鴎は倒れた。
爆鴎が近くに迫った瞬間、俺は跳んで爆鴎に攻撃した。
だから爆撃は当たらなかったわけだ。
そして、鳥人の弱点は翼だ。
俺のナイフはうまい具合に爆鴎の羽の付け根を切りさいたらしい。
「魔人だから強いとは限らないんだ。よく覚えておけ」
俺は、爆鴎の残った方の翼を掴み、それも真っ二つに斬ってやった。
「うぎゃあああ!!」
「も、もう帰るっ!」
爆鴎は半泣きになりながら言った。
「逃がすかっ!」
が、いきなり辺りが真っ暗になった。
爆鴎だけが見える。
爆鴎はどこか別の方向を向いて顔を真っ青にして震えている。
「あ…ああ…あ…貴方様は…」
すると、ゾッとするような声が辺りに響いた。
「自爆しろ……」
「お、お許し下さいっ……!!」
「黙れ。鳥人の誇り…翼を斬られるなど、鳥人の恥だ。つまりそれは魔人の恥ということだ。」
「うぅうううああああ!!!!」
すると辺りの暗闇が消えた。
目の前で爆鴎がもがいている。
そして、体が光り始めた。
俺は瞬間的に思った。
――本気で自爆する気だ!
しかし、時はすでに遅し…。
爆発した…!!
耳が潰れるかと思うくらいの爆音が辺り一
一面に響き渡る――
そして焼ける臭い……
最初のコメントを投稿しよう!