序章

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  中学の頃はそうだった。 ――教員、保護者、クラスメイト……… みんな口々にそう言う。   そして高校。 また同じだろう。 校門ではジロジロと見てくる奴がほとんどだ。 もううんざりだ。いい加減にしてほしい。   散りゆく桜を見る。   ――この桜のように…世界も散っていくのか…   ふと、桜と一緒に女子生徒が目に入った。おそらく同じ新入生だろう。 髪は短く濃い茶。凛とした顔立ちで、どこか和風の空気が感じられて…桜がよく似合う…   そして、目があった   ――――――ゾクッ   なんだ…?あの女は… 全てを拒絶するような目つき―― 明らかにただ者じゃない雰囲気が漂う。   俺と目があった瞬間、その女はどこかへ行ってしまった。  
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