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少年太一は心踊る1日を過ごしていた。
今日は12月24日。
つまりクリスマスなのだ。
子供にとってクリスマスはただ事ではない。サンタを信じる子供は何日も前からサンタクロースへの手紙を書きまくり、サンタの正体に気付いた子供は両親との壮絶な駆け引きに悪戦苦闘する。
今回の主人公である太一はまだ小学2年生、彼はまだサンタクロースを信じているのだ。
「お母さん!今日サンタ来るかな?来るかな?」
「そうね、太一が良い子にしてたらくるかもしれないわね」
なんてやりとりを一週間近く前から続けている。
親にとっては、サンタを信じている我が子を見るのが何よりも嬉しいプレゼントだが、当の本人のワクワクはそれを遥かに上回る。
何しろ、夜布団に入り朝目が覚めるとプレゼントが枕元におかれているのだ。
しかもプレゼントの贈り主はヒゲを生やした謎の老人。
太一の胸は期待にはちきれんばかりだった。
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