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とにかく、目の前のサンタが本当にサンタならば、プレゼントを受け取ってさっさと帰ってもらおう。
そう思った太一はビクつきながらプレゼントを要求した。
すると、何を勘違いしたのかサンタがニヤリと笑った。
「ハッハッハ!そーかそーか、そりゃプレゼント欲しいよなぁ少年!!」
「あ、あはは……」
見事に意図を勘違いしてくれたのか、サンタはケタケタと嬉しそうに笑った。それを見て安堵したのか、太一にも笑みが浮かぶ。
「ハッハッハハッハッハ!!」
「あはは……あははははは!」
遠慮がちに笑っていた太一は、緊張が解けるにつれて自然と子供らしい笑みになっていく。
先ほどまでとは違い、朝見せた屈託のない笑顔は年相応の子供のものだ。
「ハッハッハハッハッハ!!」
「あはははは!あはははは!」
「そんなに早く帰って欲しいか小僧」
「――――ぃぇ」
急速に大人の階段を駆け上がる太一だった。
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