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石川県金沢市、俺が当たり前にあると思っていた町…
ただひたすらに俺は麻音の手をにぎりしめながら走り続けていた。
「くそっ!なんで誰もいないんだよ!」
学校から逃げ出して一時間が経とうと言うのにまだ生きた人間は一人として見つからない。
不安と焦り、絶望が少しずつ大きくなり始めていた…
駅
「誰か助けてくれぇぇぇ!」
男はすでに助かる事は出来なかった。
「来るな!来るなぁ、があぁああぁぁぁあぁぁっっっ!!!」
街
「た、助け…てくれ…」
「い、嫌!離してっ!私まで殺される!」
その女は死にかけた男を突き放し、一人逃げ出した。
「待って、くれ…ぐあ!ぎゃああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
金沢城前
「はあ、はあ、はあ…まだ走れるか?」
「うん、まだ大丈夫。お兄ちゃんは?」
「俺は大丈夫だ。」
もう町のいたる所に生きた屍がさ迷い続けている。
もう人の悲鳴さえ聞こえない、聞こえてくるのは死者のうめき声だけ…
「…最悪だな」
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