序章 始まり

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リビングに下りると母が机に座って悠々(ゆうゆう)とコーヒーを飲みながら食パンをかじっていた。   キッチンには先日、モンスターマーケット(Monster Market)で購入したばかりの家事用モンスターの拷力(ゴウリキ)が忙しそうに働いていた。   「やっと来たわね。とっとと食いなさい」   「あぁ…」   俺は机に座り、置いてあった食パンをかじり、テレビの方を見た。   「先日、豪華客船ヤマトが鮫刃駄(サメハダ)の大群に襲われ沈没しました。乗客1200名全員の死亡が確認されたようです。船には最新のレーダーと怪物撃退兵器を搭載していたのにもかかわらず、何故沈没したのか。警察庁は超巨大国際過激派怪物悪用テロ組織『ラケット団』の犯行と見て調査しています」   「物騒ねぇ…あんたも気をつけなさいよ」   「あぁ…」   俺は残りのパンを無理矢理口に突っ込むと、着替えに部屋に戻った。
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