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「アタシ今日はもう終わりだから、食事でも行きましょうか」
どうする…ヤツはまだ現れない。
ここで目立つのはマズイのだ。
「じゃあ、ここで待ってるから支度しておいで」
「すぐ戻るわ」
と、店の中に消えていった女の子を眼で追うふりをして、俺は辺りを見渡した。
一時間前くらいからか…
一本先の路地に停まってる、白いセダンに人影が見えた気がした。
音原か‥それとも…
コツン!
「痛てっ!」
どこからか小石が飛んできた。
振り返ると、いつのまにかさっきの女の子が荷物を抱えて後ろの自販機の陰にいた。
「こっち、こっち、早く!」
小声で呼ばれた俺は、反射的に歩きだした。
「茂ちゃんから聞いてるわ。店には別の男がくるから、その人と行けって」
…一瞬考えたが、すぐに状況が読めた。
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