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教室に入ると魁皇に女子が群がってきたので離れる。
「桜、また江藤先生の頼み?」
幼馴染みの蛍(ほたる)が声をかけてきた。
『うん。佐原グループの御曹子だって。』
蛍の顔色が変わる。
「先生何考えてるの?椿さん怒るでしょ。」
眉をひそめる蛍に苦笑する。
『弟君が向日葵についてるよ。椿ちゃんもいい加減成長しないとね。いつまでも引きずって欲しくないし。恨んでも仕方ないでしょ。』
ため息混じりに言う。
「そうね。」
蛍も頷いた。
「桜ちゃん何話してるの?」
後ろから魁皇君が声をかけてくる。
『あれ?もう解放されたの?早かったね。』
邪魔だと思いながらも笑顔で対応する。
「あー、席につきたいなって言ったら離してくれたよ。桜ちゃんの友達?」
魁皇が蛍に声をかける。
「桜の幼馴染みの一ノ瀬蛍です。よろしくね、佐原くん。」
桜に倣って蛍も笑う。
「魁皇でいいよ、蛍ちゃん。」
魁皇が社交的な笑顔で伝えると周りの女子が真っ赤になった。
『無駄に愛想振り撒くと面倒よ。』
一応忠告する。
「じゃあ女の子避けに恋人になってくれる?」
『お断りよ!』
軽くあしらう。
「つれないなー。」
魁皇が言うのを流す。
『お客さんになら優しくしてあげるわよ。支払い額分だけね。優しさとお金は比例するの。まあ、魁皇君くらいお金持ちなら時給も高くするけどね。』
ニッコリ笑って告げると江藤先生が入ってきた。
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