Stage1

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教室に入ると魁皇に女子が群がってきたので離れる。 「桜、また江藤先生の頼み?」 幼馴染みの蛍(ほたる)が声をかけてきた。 『うん。佐原グループの御曹子だって。』 蛍の顔色が変わる。 「先生何考えてるの?椿さん怒るでしょ。」 眉をひそめる蛍に苦笑する。 『弟君が向日葵についてるよ。椿ちゃんもいい加減成長しないとね。いつまでも引きずって欲しくないし。恨んでも仕方ないでしょ。』 ため息混じりに言う。 「そうね。」 蛍も頷いた。 「桜ちゃん何話してるの?」 後ろから魁皇君が声をかけてくる。 『あれ?もう解放されたの?早かったね。』 邪魔だと思いながらも笑顔で対応する。 「あー、席につきたいなって言ったら離してくれたよ。桜ちゃんの友達?」 魁皇が蛍に声をかける。 「桜の幼馴染みの一ノ瀬蛍です。よろしくね、佐原くん。」 桜に倣って蛍も笑う。 「魁皇でいいよ、蛍ちゃん。」 魁皇が社交的な笑顔で伝えると周りの女子が真っ赤になった。 『無駄に愛想振り撒くと面倒よ。』 一応忠告する。 「じゃあ女の子避けに恋人になってくれる?」 『お断りよ!』 軽くあしらう。 「つれないなー。」 魁皇が言うのを流す。 『お客さんになら優しくしてあげるわよ。支払い額分だけね。優しさとお金は比例するの。まあ、魁皇君くらいお金持ちなら時給も高くするけどね。』 ニッコリ笑って告げると江藤先生が入ってきた。
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