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話さないわけにもいかないから椿ちゃんを連れ出す。
『これ、もらった。』
茶封筒を差し出すと椿ちゃんの顔色が変わった。
「こんなものどうして受け取ったの?売ったようなものじゃない!!殺されたのに!」
『お葬式の費用も慰謝料も出すって。あの人達責めても何もならないよ。』
泣きながら怒鳴る椿ちゃんを静かに諭す。
「私は嫌よ!こんなお金受け取らない!!」
泣きながら首を振って拒否する。
『椿ちゃん!!』
頬をバチンとビンタする。
『大人になって!お金がないと困るんだよ!!それとも向日葵と三人で路頭に迷いたいの!?』
怒鳴ると椿ちゃんは泣き出した。その肩を抱き締めて話す。
『一緒に頑張ろう、椿ちゃん。向日葵支えなきゃいけないんだから。私も頑張るから、ね。』
「ごめんね桜ー!!」
抱き締めて話すと椿ちゃんが背中に手を回して力を入れた。
椿ちゃんは大学をやめて花屋を継いだ。そして三人で慎ましい生活を送っていた。
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