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あれから3年経ち、桜は高校二年生になった。
『椿ちゃん、行ってきます。向日葵急がないと置いてくよー!』
「いやー桜ちゃん待ってー!」
ドタバタ向日葵が走ってくる。桜達の高校は私立だが成績優秀者は学費免除になるので二人とも通えるのだ。
「桜!」
男が近付いてくる。確かこの間相手してあげた河内…だったっけ?
『なに?』
にっこり笑って首を傾げる。
「一緒に行かない?」
河内が顔を赤らめながら聞く。
『どうして?』
キョトンとした顔を作って聞く。
「どうしてって…この間の話受けてくれたんじゃないの?」
河内が訳が分からないという顔で聞く。あー、また勘違い野郎増えちゃった、と思った。
『ありがとうとは言ったけど付き合うとは言ってないよね。好きになってくれるのは嬉しいけど誰とも付き合う気はないの。一時間2千円のデートなら喜んで受けるけどね。』
にっこり笑うと河内は掴みかかってきた。その手を掴んで投げる。
『自分が勘違いしたからって怒られても迷惑なんだよね。私は最初に本気にならないほうがいいよって言ったはずだよ。さっさと消えてくれる?』
見下ろして告げると河内は走って逃げた。
「桜ちゃんまだあのバイト続けてるの?」
心配そうに向日葵が桜を見つめて聞く。
『いい稼ぎになるからね。奢ってくれるし便利だよ。あ、でも向日葵はやっちゃダメ!!』
「やらないよ!いくら桜ちゃんが強いからって危ないんだからね。気を付けてよ!」
了解、とにっこり微笑んで教室に向かった。
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