2499人が本棚に入れています
本棚に追加
一時間2千円でデート。仕事なら千円その他オプション追加で料金加算制。でもキスも頬までしかしない。どんなにお金を積もうともそれだけは徹底して守る。幸い亡くなった両親が武術を一通り習わせてくれたので身を守る術は身についていた。
「一条!」
担任の江藤先生が声をかけてきた。
『何ですか?』
笑顔で聞く。
「一条の隣の席空いてるだろ?あそこに編入生入るんだが世話係を頼みたいんだ。」
面倒だが江藤先生の頼みなら仕方ないと諦めて受けることにした。
『分かりました。女子ですか?男子ですか?』
「男子だ。佐原グループの御曹子で顔もいいからモテるだろうよ。」
嫌な予感に顔をしかめる。
『私はいらない嫉妬は受けたくありませんよ。』
「だからお前に頼むんだろ。半端な女子に頼んだらヤバイ。」
買い被られている気がするが江藤先生の判断に従うしかないだろう。
『そうですか、分かりました。』
この時引き受けたことが全ての始まりになるなんて思ってもみなかった。
最初のコメントを投稿しよう!