〓想い

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図書室の奥隅に連れて行かれた あたしは近くにあった椅子に座って、新は本棚に寄りかかった 「蘭さん、昨日…何で帰ったんですか?」 新は下を向いたまま小さく呟いた あたしは新をじっと見た …新は下を向いたままだったから、新を見つめたまま話した 「辛かった…、彼女からの電話って分かった時…有り得ないくらい辛くて、涙が溢れて……その場にいれなかったから……」 「別れます」 理解するのに少し、時間がかかった 「…うそ」 「ホント」 「何で?」 「好きだから」 「誰が?」 「蘭さんが」 「…だから言ったじゃん!あたしは彼女から新を取る何て出来ないって……」 あたしは椅子から立ち上がり新に近寄った 嬉しさと、罪悪感の狭間で… あたしの頭の中はぐちゃぐちゃになっていた
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