『遣ろか水』

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 俺は一人になってしまったのだ。  最期まで泣きじゃくっていた男は、その手に水を持っていた。  俺は誘惑に耐え切れずに、その水を飲み干す。  それはとても、甘くて病みつきになる味だった――。  そして俺は……。  ――遣ろか、水。水、遣ろか。  もう二度と動かない、今では白骨化さえしてしまったメンバー達に、永遠に乾かない水を与え続けている……。
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