『輪入道』

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 不意に外から音が響いてきた。  いよいよお迎えの時間かと思い、深呼吸してその音に全神経を集中させる。    ……否、あれは荷車の音だ。  まるで斜面を駆け降りてくるような、低い轟音。  炎を吐いているかのような、唸るような雄たけび。  恐ろしい鬼共の咆哮。あれは、地獄の使いだ――。
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