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それは、俺がその家に移ってからの出来事だった。
普段は夢などみなかった俺が、何故かその日に限って、生まれて初めて夢をみた。
景色は暗く見知らぬ場所で、見た事も無い女が顔も上げずに、ただひたすらすすり泣いていた。
俺は最初戸惑った。
異性に対する声のかけ方が分からないのもあったが、何故見た事も無い女が夢の中に出てくるのか、それが一番不気味だったからだ。
しかし、何時までも泣いているのを無視するのも居心地が悪いと、仕方無いという気持ちと相まった好奇心から、おずおずと声をかけた。
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