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そうこう考えている内に随分憂鬱な気分になってしまった。
振り替えれば、ただのばかばかしい思考の奮闘に過ぎない。
たかがそれ位の事で感傷に浸るなんて、俺もつくずく愚かな人間だ。
と、皮肉に満ちた感情は、心内のみならず英志の表情までも自虐の笑みで曇らせた。
どうせ暇なら、気分転換も含めて何処かに寄り道でもしようかと思い付く。
学校は都心に近く、少し遊べる程度の場所なら電車で数駅もかからなかった。
行き場になど困らない。
娯楽はいくらでもある。
それでも、英志には楽しめる気がしなかった。
平凡な生き方には疲れた。
世界はつまらなかった。
それでも、英志は生きていた。
精神はずっと死にそうになりながら。
とても
無駄だと感じた。
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