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「死にたい」
それは吐息の様に軽やかで小さなな呟き。
誰に聞かせる訳でもなく、ただ自然に滴る言葉の雫。
少しだけ、楽になれる呪文。
俺の毎日は普通であり平凡だ。
誰もが生きながら死んだ様に生活している、そんな現代なら当前の。
この世界を取り巻く物は情報と呼ばれ、人々は複雑なネットワークを頼りにする他無い。
情報の波に乗れない者は社会に取り残され、人々から切り離される。
それはまるで、欠けた貝が浜辺に打ち上げられるかの様に。
穏やかに冷静に残酷に。
しかし、もしそれさえ知っていれば理想に浸れるものがある。
インターネット。
――そう呼ばれるのだ。
もう一つの世界は。
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