序章

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そこは空想と虚像の世界。 事実なんて物は何一つ存在しない、機械の中の、人々の精神だけが漂う空虚。 と同時に誰もが理想を叶えるられる世界。 現実の様にあらゆる情報と一つになって、人々と絆を築く理想郷。 そこでは正に、あこがれの自分を演じる事が出来る。 男でも女でも、人でないものにさえ、なる事は容易い。 例えば善でも悪でも。 今やインターネットのない社会は考える事は出来なくなった。 嘘は本当になって、真実は小さく消えてしまう。 都合の悪い情報、人、気に食わなければ削除すればいい。 ただそれだけの、意図もたやすい便利な事だ。
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