姫のウタは小鳥を殺す

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そいつからこの間聞いた話し…――。 「おい英志、これ知ってるか?」 そう言って、――森泉晶はケータイをネットに繋ぎ、何か検索エンジンに入力した。 無数の検索結果が表示される。その中からある一つを晶は見つけ出し、これこれと言って相川英志にケータイを差し出した。 そこには12か13歳位の少女がステージで激しく歌う画像があった。 少女は腰まで届きそうな長く美しい金髪で、半裸に近いその姿は、膝上までの白いニーソックスと、足の付け根ぎりぎりまでの短い薄手のキャミソールミニワンピースの他は、下着さえも身にまとっていないようだった。 しかも、マイクを抱え少しかがんだ胸元からは未発達な胸の膨らみと、その真ん中を走る傷が半分露になっている。 肘や肩の関節では、冷たく硬い小振りの白いギブスが、拘束衣のように彼女を束縛していた。 まるでわかり易い現代美術みたいな姿。 「晶、お前そう言う趣味なのか?」 英志は半ば敬遠する様に晶をからかう。 「違ぇって!」 そう言って晶は英志の頭を叩いた。 どうやら本当に違う様だが、なかなか怪しい物だと英志は思った。
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