それから

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―ピピピピピピピ… 「ん…」 ―バシッ! 「ん~…。朝?」 目が覚めると、そこは見慣れた自分の部屋だった。 私は、まだ完全に開いていない目を擦りながら、ベッドから出た。 それにしても、今日は懐かしい夢を見た。 小学校に入る前、もう10年以上も前の、懐かしいあの日。 よく一緒に遊んだ、海斗。 秋頃に、親の仕事の都合で引っ越したんだっけ。 あの時は滅茶苦茶泣いたなぁ…。結構仲良かったし。 親に言われて、慌てて家を飛び出した。 海斗の家に着く頃には、もうすでに引っ越しの準備は終わってて、海斗たちが出発するところだった。 その時に海斗に言われた言葉、『クリスマスの日、7時に駅前のツリーの前で待ってる』。 あの言葉を信じて、クリスマスはいつも駅前に行く。 果たされるはずないのに…。 「ゲッ!ヤッバ!」 なんて、そんなことを考えていたら、遅刻ギリギリの時間になってしまった。 「遅刻だけは避けねば」 そう呟いた後の私は、もの凄いスピードで準備を始めた。
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