3人が本棚に入れています
本棚に追加
―ピピピピピピピ…
「ん…」
―バシッ!
「ん~…。朝?」
目が覚めると、そこは見慣れた自分の部屋だった。
私は、まだ完全に開いていない目を擦りながら、ベッドから出た。
それにしても、今日は懐かしい夢を見た。
小学校に入る前、もう10年以上も前の、懐かしいあの日。
よく一緒に遊んだ、海斗。
秋頃に、親の仕事の都合で引っ越したんだっけ。
あの時は滅茶苦茶泣いたなぁ…。結構仲良かったし。
親に言われて、慌てて家を飛び出した。
海斗の家に着く頃には、もうすでに引っ越しの準備は終わってて、海斗たちが出発するところだった。
その時に海斗に言われた言葉、『クリスマスの日、7時に駅前のツリーの前で待ってる』。
あの言葉を信じて、クリスマスはいつも駅前に行く。
果たされるはずないのに…。
「ゲッ!ヤッバ!」
なんて、そんなことを考えていたら、遅刻ギリギリの時間になってしまった。
「遅刻だけは避けねば」
そう呟いた後の私は、もの凄いスピードで準備を始めた。
最初のコメントを投稿しよう!