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「~で、あるから…」
無事に遅刻はせずにすんだが、朝の夢が頭から離れない。
確かに、あの年の冬から私は毎年駅前に行っている。
けど、海斗が来たことなんて1度もない。
毎年、虚しくクリスマスを過ごすんだよね…。
「光」
「ん?」
そんなことを考えながら窓の外を見ていたら、後ろの席の彩に背中をつつかれた。
「何?彩」
「前、前」
私が後ろを向くと、彩は慌てた様子で前を指差した。
「え?」
「いい度胸だな。月島」
「あちゃ~…」
前を向くのと、先生の声がかかるのは同時だった。後ろからは彩のため息にも似た声が聞こえてくる。
「じゃ、問いの3は月島にやってもらうかな」
「はい…」
気の抜けた返事をしながら、私は席を立った。
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