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一真にメイク頼んどいてよかった…
放課後。
まだ少し腫れている目を鏡で見ながらあたしは切実にそう思った。
「一真…お願いしますーっ」
「はいはい、ほら座れ」
機嫌よく返事をして椅子に座る。
数分でメイクは終わりあたしは鏡を見た。
…やっぱかなり上手い
頼んでおきながら何か複雑ー…
♪~♪~♪~♪
鏡を見ているとメールの受信を知らせる音楽がなって。
この曲は、悠紀くんだっ!
学校終わったのかな?
あたしは少し慌てながらメールを開く。
やっぱりメールは悠紀くんから。
「悠紀から?」
「うん、今校門にいる…ってぇ!?」
「……驚くの遅」
え、だっ…て!
校門ってすぐそこじゃんっ!!
窓から外を見れば確かに校門に悠紀くんがいた。
あたしは急いでメールを返す。
「一真っ、メイクありがと…あたし行ってくるね!」
「おー…」
悠紀くんを待たせてる、と思うと自然と小走りになって。
あたしは一真の呟きに気付かなかった。
「………いつまで“友達”なんだよ」
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