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「悠紀くんっ」
寒ー…悠紀くんこんな中歩いてきたのかなぁ
……何か悪い気がする
「今日はちゃんとマフラーしてるね」
「えっ…あ、うん」
悠紀くんは軽く笑って歩き出した。
あたしもそんな悠紀くんの隣を歩く。
注目を浴びてるのは…気のせいじゃない
悠紀くんかっこいいもんなぁ…
チラリと横を見れば長めの前髪が妙に色っぽい悠紀くんの横顔。
―ドキッ
「そういえば、梓ちゃんってさ…」
「へっ…!?」
急にこっち向くからめちゃくちゃびっくりしたっ!
はぁ…み、見てたのバレてないよね?
そんなあたしの不安をよそに悠紀くんは可笑しそうに笑っていた。
「ゆ、悠紀くん…?」
「梓驚きすぎっ!」
え…
今、“梓”って…
勢いよくあたしの顔が赤くなって悠紀くんもハッとしたようだ。
「ご、ごめんっ。一真がいつもそう言ってたから、つい…」
「う、ううんっ…」
名前呼び捨てにされただけなのに
何でこんなにドキドキしてるんだろう…
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