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───12月25日
待ちに待ったクリスマス。あたしはそわそわしながら初めて2人で話した公園で悠紀くんを待っていた。
うー…緊張する…
悠紀くん、まだかなぁ
「梓!」
「悠紀くんっ」
5日ぶりに見た悠紀くんは一段とかっこいい。
あたしは手を振りながら顔が赤くなるのを感じた。
「久しぶり…?」
「ちょっとだけどね」
やっぱり悠紀くんの笑顔はヤバい…
会ったばっかりなのに胸のドキドキは止まりそうもない。
それどころか悠紀くんにも聞こえるんじゃないかと思うくらい大きくなる。
「それじゃ、行こっか」
「うん…!」
出された手に自分の手を重ねてあたしたちは街へと向かった。
街の外れにある、巨大ツリー。
高校生になったら絶対クリスマスに彼氏と見る!て決めてた。
だからすごく楽しみで仕方ない…のに。
悠紀くんは楽しくないの?
歩きながら時折見せる困ったような表情と時間をかなり気にする悠紀くん。
あたしはだんだん不安になってきた。
…大丈夫、だよね
不安になることなんてない
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