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「ねぇっ!笹木くんが丘高の江上さんと付き合い始めたって本当!?」
ドアが勢いよく開かれたと同時にデリカシー0の言葉が飛び交った。
教室にいた人全員が一斉にあたしの方を向く。
言った本人はというとあたしの存在に気付いて慌てて口を塞いでいた。
…そんなことされると余計惨めになるんだけど
「梓、お前笹木と別れたんだってな」
そしてここにも空気を読めないバカ1人。
「一真…空気読んでくれない?」
「ちゃんと読んでんじゃん」
「………バカ」
井上 一真(いのうえ かずま)
小・中・高と一緒で腐れ縁の仲。
「後1週間でクリスマスだぜ?もったいねぇよなー」
「……絶対嫌」
「え?」
「あたしクリスマスを1人寂しく過ごすなんてずぇーったい嫌!!」
高校始めのクリスマスだよ!?
彼氏と2人で過ごすにきまってんじゃん!
あたしはギュッと拳を作った。
「決めた!あたし、クリスマスまでに彼氏作るっ!!」
「………まぁ、頑張れ」
「な、何その言い方」
「別にー…」
応援してくれたっていいのに、一真の薄情者…っ
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