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繋がれた手の嬉しさと胸のドキドキがうるさくて。
街の雑踏なんて気にならなかった。
なんか…漫画みたい
でも、悠紀くんとならこんなのもいいかなって思えちゃうのは
あたしにとって、悠紀くんが“特別”だからかな…
だいぶ走って着いたのは軽いイルミネーションが施されている小さな公園。
あたしと悠紀くんは同時にベンチに腰を下ろす。
大した距離じゃなかったけど…疲れたっ
「ごめん、いきなり走って…大丈夫だった?」
「うん、平気…それに何か面白かったし」
2人で笑いあえば走った疲れなんて吹っ飛ぶくらい楽な気持ちになる。
でも、走って暖まった体も徐々に体温を奪われて寒さについ体を震わせた。
―フワッ
え…これって…
突然、首が暖かくなってあたしは驚きながら悠紀くんを見る。
「俺のマフラーだけど、貸してあげる」
「えっ…悪いよ…」
「いいの」
有無を言わさずあたしの首にマフラーを巻き付ける悠紀くん。
暖かい…それに、悠紀くんの匂いがする
……ヤバイ、すごい嬉しい
あたしは悠紀くんのマフラーに少しだけ顔を埋めて。
にやけてしまう顔を隠した。
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