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「よろしく。」
ミリィは素っ気なく二人に挨拶した。
やっぱり不機嫌だ。
「スッゴク綺麗な人だねぇ。トウヤ~ひょっとして彼女~?」
流石は棗。
お年頃な少女らしい質問に、ついつい微笑んでしまう。
ルナも微笑んでいる。
「棗ちゃん。そんなこと聞かなくても分かるでしょう?
トウヤに、こんな綺麗な彼女さんが出来るなんて、あり得ませんわ。」
う~ん。
流石はルナ。
さらりとかなりキツイ事を言ってくれる。
抱きついている棗の頭を撫でながら、トウヤは自分の笑顔がひきつっているのを自覚しながら答えた。
「ルナの言う通り。偶然出会って、助けられただけだよ。」
口々に「ほらね」だの「何だ~。つまんないの」だの言ってくる。
悪かったな。
どうせモテませんよ!
抱き着いて中々離れなかった棗と、どこに持っていたのか、報告書をルナから手渡され、二人はトウヤとミリィから離れた。
トウヤとミリィは、移動して、今は部隊長室と書かれたドアの前にいる。
少し緊張した面持ちで、トウヤはドアをノックした。
中から「入れ」という低い声が聞こえ、トウヤとミリィは部屋に入った。
「失礼します。
バルゴ隊長。
朝霧 トウヤ、只今帰還いたしました。」
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