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部隊長室は、5・6人くらいなら泊まれる程の大きさの部屋だ。
その部屋で目につくものといえば、机と応接用のソファーと本棚くらい。
無駄に広いとはこういった部屋のことを言うのかもしれない。
その部屋の主は、机で書類に目を通していた。灰色の髪に彫りの深い顔には、今まで人生を語るように皺が目立つ。今年で52歳になる初老の老人。
ホムラにおいて、最高の軍師と言われているのが、バルゴ隊長である。
「さて、トウヤ。
まずは、良くぞ無事に帰ってきてくれた。
今回の任務では、本当にすまなかった。
本来、任務を遂行する場合は、必ず二人一組で行動するべきだった。
それを、君一人での単独行動をさせてしまったのは、私の責任だ。
君ならばと思っていたんだが…な。」
書類に目を向けたまま、こちらを見もしないで、堂々と嫌味を言ってくれる。
流石は俺の「ぶちかましリスト」上位ランカーだけの事はある。
トウヤは一度拳を硬く握ると、今までの経緯を話した。
ただ、やはりミリィの事は話せないので、シルメリアの魔術師たちが召喚に失敗して、魔法陣から魔力が暴走して、シルメリアの部隊は壊滅し、ミリィは偶然出会って、任務に協力してもらったと報告した。
我ながら無茶苦茶な報告だとは思ったが、ミリィのためだ。
仕方がない。
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