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自室に戻ったトウヤは、そのままベッドに倒れ込んだ。
とにかく、疲れた。
自分の人生の中で、こんなに疲れた事は無いと思えるくらいに疲れた。
今頃騒がれてるよな~。
マジで、部屋からもう一歩も出たく無いぞ。
明日には、今までの日常であって欲しいと痛切に願った。
もちろん、そんな願いが、叶うことはない。
叶わないと現実をつきつけてくる相手が、今も目の前にいるからだ。
「ねぇ、トウヤ~。
私、お腹空いた。
さっきルナに聞いたら、食堂って場所でいつでもご飯食べれるんでしょう?
食べに行こうよ。」
トウヤが疲れる元凶は、呑気にこんな事を言ってくる。
「も…無理。少し休ませてくれ。」
何とか言葉に出来た懇願だったが、無情にもミリィは速攻でトウヤに答えた。
「休んでも良いけど…。
私…多分、お腹が空きすぎると不機嫌になるよ。
それでも良いの?」
「………」
もし、トウヤがこれ程疲れていなければ…きっと笑って聞き流していただろうが、疲れが溜まって凹んでいるときに、そんなことを言われたら、我慢も限界だ。
「お前な!
俺は、お前のことを思って、あんな嘘の報告をしたのに!
何だ夫婦って!
何だ能力検査って!
からかうなら、他のヤツをからかえ!」
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