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ミリィは、どうしてこんなに一人になるのが嫌なのだろうか。
トウヤの目には、ミリィが孤独に必死で耐える小さな少女に見えた。
「なぁ。お前って…」
(今までずっと一人ぼっちだったんじゃないか?)
口から出かけた言葉を無理矢理、押し込んだ。
そして、小さく溜め息を吐くとミリィに言った。
「分かったよ。お前を、一人にはしない。
お前が、飽きるまで俺の側に居ればいいさ」
そうしたら、いつかこの寂しがりなドラゴンも、孤独を感じることは無くなるだろう。
…我ながら、甘過ぎるのかな?
苦笑しながらトウヤは、ミリィの頭を撫でた。
「じゃあ、ご飯食べに行こうよ~!」
ミリィの背後が揺らいで見えるのは、気のせいだろうか?
さっきまで、顔を真っ赤にして可愛かったのに…今は、まるで肉食獣だ。
何だか、俺まで喰われそうだ。気のせいであって欲しいが…。
「ミリィ、ここは何か感謝の言葉を期待してもいいところじゃないかな~?
それに、腹が減ったのは分かったから、何もそこまで怒る必要無いだろ?」
「私達ドラゴンは、空腹だと理性が飛びやすいのよ!
それとも、感謝してあげるから、貴方を食べていいの?」
「………食堂に行こうか」
トウヤは、何があってもミリィを空腹にしないと誓った。
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