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棗も、両親がカエンでの任務中にシルメリアの軍隊に殺されて、今はカエン本部の隊員としてカエンで預かっているのだ。
エリート集団と言われているカエンだが、実はホムラに来た難民や、戦争孤児を受け入れて、育成にも力を入れていたりする。
「それじゃ、棗とルナも、一人ぼっちなんだね。」
「ああ。だからあの二人は仲が良いし、今はこのカエンの仲間がアイツ等の家族みたいなもんだな。」
トウヤの何気無い一言に、ミリィは笑顔で頷いた。
「そうね。貴方が、家族みたいな存在で居てくれたら、嬉しいよね。」
何も、トウヤだけが家族として棗やルナと接している訳ではない。
ただ、他の仲間よりも特にトウヤは、棗には兄として。ルナには友達として接している。
そうすることが、二人には良いと考えているのだ。
「俺は、あんまり意識して無いけど…、そうだな。
家族みたいなもんだって思ってる仲間は、少ないのかな?」
「そんなことないさね!
アタシには、皆が息子や娘だよ。」
話に夢中になっていて、タエさんが料理を持って来てくれたのに気付か無かった。
「はい。トウヤはいつものチャンポンね!
それと、こっちの娘さんが肉料理でいいのかい?
かなりな量作っちまったからねぇ。アンタ一人で食べれるかい?」
60代前半で、丸い体型、丸い顔に丸眼鏡と人の良さが滲み出てる笑顔が特徴的な、食堂のおばちゃんこと「タエばあちゃん」が、トレーにチャンポンと大量の肉料理を持って来てくれた。
「あ~ッ!
ご飯が来た~!」
もの凄いスピードで、トレーから肉料理をとると、手掴みで肉を食べ出すミリィ。
呆気にとられて、その光景をみていたトウヤとタエばあちゃん。
凄いな。
もう二皿空だよ。
どんだけ腹減ってたんだ?
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