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「元気な娘だよ!
ただ、マナーが出来てないねぇ。
良いかい、お嬢ちゃんこうやって…」
タエばあちゃんは、優しくナイフとフォークの使い方を、ミリィに教えている。
ミリィも、タエばあちゃんには素直だ。
ナイフとフォークを不器用に使って食事を再開した。
「それで、この娘さんが新しく入ってきた隊員かい?」
どうやら、タエばあちゃんは、暇らしく、お茶を持って来てミリィの隣に腰かけた。
「初めましてでいいのかな?
トウヤの妻のミリィよ。宜しくね!」
ミリィの紹介に、タエばあちゃんは、盛大に口からお茶を吹き出した。
「タエばあちゃん!
何だよいきなり!
飯食べてんだぞこっちは!」
「ゲホ!…カハッ!
御免よ、トウヤ。いきなり妻だって言うからびっくりしてね。
ホントかい?」
まだ騒ぎにはなっていなかったんだろうか?
とっくに皆知ってると思っていたが…。
「知らなかったんだな?
もう噂が出回ってるだろうと思ってたよ。
……エ~ット、妻のミリィだ。これから宜しく!」
とにかく、ミリィの鋭い視線が痛くて、タエばあちゃんに即答した。
「何だい!
アンタいつの間に結婚したんだい!
知らなかったよ!」
タエばあちゃんの嬉しそうな顔が、トウヤの罪悪感を強くするが、仕方がない。
ミリィに殺されたくはない。
「まだ式は挙げてないよ。近いうちに結婚式も挙げようと思ってるんだけど、今は…ほら、こんな状況の中では結婚式って訳にもな。」
ミリィのニコニコ顔が見える。
上手く合わせられたようだ。
「そうか。あの噂はマジだったんだな。
まさかお前が結婚するとは…意外だな。」
今度は入口の方から声が返ってきた。
入口の方を見ると、筋肉ダルマの大男が立っていた。
「シェイン。帰ってたのか?
任務だったんじゃないか?」
「今終わったとこだ。隣いいか?」
シェインはトウヤの隣に座って、ミリィに自己紹介した。
「俺はシェイン・タートルループ。
トウヤとは良く一緒に任務をこなしてるんだが、こんなに可愛い嫁さんがいるとは知らなかったな。
今まで、良く秘密にしてたなぁ。」
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