第四章

2/2
前へ
/12ページ
次へ
  僕たちの家の近くに公園がある。 そこでよく遊んでいた。   「キリス君、こんなところにお花があるよ」   「シリス君、お空が真っ青で綺麗だよ」   女の子たちが僕たちに話しかけても返事はしなかった。   僕たちはいつも二人で遊んだ。 友達はいらなかった。 ただ二人でいれれば良かったんだ。 母さんが死ぬ前は友達はいっぱいいたはずなんだけれど、気がついたらいなくなっていた。 それは――僕たちが二人だけの殻に隠ってしまったから。   もう裏切られたくない。   言葉にしなくても僕たちは伝わっていた。  
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加