はじまり

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「んだぁー! どうしろって言うんだよぉ~」  叫んだ所で、バイトが決まる訳でもなし、俺は途方にくれていた。 「クリスマス間近にバイト探しなんて、情けねぇ」  人気のある所を避け、公園のベンチに……座れず、立って情報誌を捲る。  いくら心身共に疲れてたって、濡れたくはない。  一枚捲っては、ため息が1つ……。  どの仕事も、今一つピンと来ない。  選べる立場ではない事もわかっているが、やる気ばかりはなんとも。  もう何度目かのため息をつき、情報誌を閉じて上を向く。  その時俺は、向かいのベンチに、青年が座っている事に気付いた。
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