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「光あれ──っと」
「文字通り、夢のある仕事よね。楽しい夢を見せるって」
確かにね、と僕は相方に言った。僕たちは夢のような存在だ。だからこそ、素晴らしい夢を子供たちに提供する。
少しでも、このクリスマスに幸せを味わってほしいから──。
「んじゃ、次の仕事に行こうか」
僕はよし、と掛け声をかけてから相方の手をぎゅっと握った。すぐさま相方は踏み切って、空にふわりと上がる。
この浮遊感はいつ味わっても心地いい。いつも飛んでる相方が羨ましくなるんだよね。
「トナカイは飛べていいよね」
「サンタの方こそ夢を与えれて羨ましいわよ」
そうかなあ、と呟きつつ、僕と相方は二人して、空へと昇っていく。
僕とトナカイはこれからも夢を与え続ける。この夜が明ける、その時まで。このクリスマスに幸せを配り続けるのだ。
「あ、言い忘れてる!」
「え? あ、それじゃあ、一緒にいいましょう」
僕とトナカイは子供たちのいる一軒家に向き直り、口をそろえて──
「Merry Xmas!!」
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