聖 夜

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 少なくとも遠くに行っていないだろうからこの辺りを探していれば見つかるだろうな。  僕は早足になりながらも、購入したカイロをポケットの中でシャカシャカと振って、駅の周辺を歩き回る。  帰ったってことはないはず。いくら怒りやすいあの相方とはいえ、しっかりとした子だから、ちゃんとどこかにいるはず。  去年も二人でこのクリスマスを彩ったし。僕と相方はいつも一緒だ。僕は相方がいないとどうしようもないし、相方も一人では何もできない。だから、僕らはセットでひとつ。  僕と相方の関係は、仕事仲間や、そういったものではない。  確かに、仕事の関連で知り合ったけど、それでもやっぱり特別な感情を抱いてはしまうよなぁ。  好き、とは違うけど、言葉にはできない信頼や愛情、お互い幸せを紡ぐ者としての嬉しさの共有関係、わけわからないけど、そんな感じだ。  相方が僕のことをどう思っているかは知らないけど、少なくとも、この十二月二十五日はいつも僕と一緒を選んでくれる、仕事だけどね。 「ともかく、僕は相方じゃないとダメなんだよな」  もう、そういうものだから。  お互いのことをしっかり分かってるし。  例えば、今彼女はどんな顔をしているか、僕には分かる。  いつものように──『鼻を真っ赤にして』怒っているに違いない。
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