聖 夜

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 僕も手を握っているので、一緒に空へとふわりと浮きあがる。  相方は僕が浮いたのを確認すると、そのままクリスマスの雪空を登り、空を進んでいく。まるで、魔法使いのように。     「じゃあ、やろう?」  相方が促し、僕は一軒家の二階のベランダに着地。ガラスの向こうで寝ている子供たちを確認する。ぐっすり、すやすやと眠っている。  五歳くらいの子と、八歳くらいの子。実に可愛らしい寝顔を見せている。 「僕らにできることって少ないよね」  プレゼントは両親が買ってくれるだろうし、幸せな時間を家族と過ごしただろうし、本来僕たちのような存在がいなくても、幸せは生まれるんだよね。 「でも、私たちにしかできない仕事じゃない?」 「そうだね」  僕は指を二人の子供に向ける。そして、ぽう、と僕の指先に蛍のような光が灯り──その光が子供たちへとゆらりゆらりと飛んでいき、そのまま子どもたちの体に吸い込まれていった。
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