忘れ傘
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「花乃さんか。可愛らしい名前ですね。よろしく」 そっと差し出された大きな手。そこに挨拶をする私の小さな手。 「どこかで会ったのかな?でも、名前は知らなかったよね」 それはもちろん初対面ですから。 「いえ、ただなんとか気になりまして…」 私の口は完全に暴走中。ブレーキ役の脳みそも現在停止中。 「ただ知りたくなったんです!あなたの名前が」 私だってわけがわかりませんとも。言われなくたって。
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