忘れ傘

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「なるほど。でも、ずいぶん、目立っちゃったみたいだけど」 驚くことに彼は私を気遣ってくれていた。とても優しく心配そうな顔で私を見ていた。 この原因、私なのに…。 「ごめんなさい!突然名前なんて聞いてしまって」 私バカだ。なんでこんなことしたんだろ。 私、一番嫌いなのに…。後悔なんて。 でも頭に浮かんでくる言葉はマイナスなことばかり。 もう今なら、どこにでもいけるドアでも、時空を駆けられるマシンでも、なんにでもすがりたい気分。
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