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いつものようにタオルをお湯に沈めて風船を作りながら、一日のことを考える。
ぷくぷくっと気泡がタオルの端から逃げてきて、私の一日の記憶を一つひとつ、ゆっくりと空気に弾けさせていく。
そうしていれば、私は一日のことをじっくりと思い起こして、私の記憶に整理して綴じていく。
私はいつもそうしてきた。
中学生のとき、部活で挫折しかけたときも、ピンクの入浴剤は私を見直させてくれた。
私はテニスをしていた。私が通っていた中学は、ソフトテニス部しかなく、試合は常にダブルスだった。
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