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「石川上等兵はもう緋龍の基本動作の訓練はやっていたよね?」
「あ、はい、やりました!」
がくりと肩を落とす護を尻目に、真鶸は溌剌と答えた。
「うーん、それじゃあやっぱり問題無いね。志摩曹長、シミュレーターを起動しておいて。あ、笠置軍曹。君も手伝ってあげて」
「はいな」
「了解」
皐月はにやりと笑い、笠置は何かを察したかのようにうなずき、シミュレーターに駆け寄って行った。
「あの……何をするんですか?」
護が疑問に駆られて質問すると、したり顔で風見原は答えた。
「ふふふ、模擬戦だよ」
一瞬呆気にとられる護と真鶸。
「で、でも、あたしは射撃訓練はまだですし……!」
「徒手空拳でやるから問題無いでしょ」
「格闘訓練も自分はまだです!」
「いや、生身と身体を動かす感覚はだいたい同じだから大丈夫だよ。ちょっとした遊びと言うか、息抜きのつもりでやってくれていいから」
『…………』
顔を見合せ、大きくため息をつく二人。
「さ、分かったらさっさとスキンに着替えてきてね」
沈黙を勝手に了解と受け取り、風見原は二人を更衣室に追いやった。
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