立ち聞き

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「あ、あの……えと、す、すいません!」 恐怖におののきながら平身低頭する唯を見て、佐伯は面倒臭そうなため息をつくと、義手の左手で首筋を揉みながら言った。 「まー……別に構わん」 「…………へ?」 肩透かしを喰らったかのように、唯は目が点になる。 「いや、あのな、他言無用とは言っても、最高クラスの機密情報ってわけでもないんだぞ。もちろん、どうでもいいって訳じゃないが――」 佐伯はそこまで話すと、いきなり盛大なくしゃみをした。 「それに俺も大佐も、途中からお前がいることに気付いていたしな」 「んなっ……!」 唯――絶句。 先ほどまでは真っ青だった顔色が、今度は赤く染まった。 「だからまあ、今回はお咎め無し。聞いてもそこまで問題があるわけじゃないからな。ま、言いふらしたりなんかはするなよな?」 首がもげそうな勢いで唯は首肯する。
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