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義手の人物が口を開いた。
「遠路はるばるご苦労だったな、城沢伍長――いや、軍曹」
「軍曹……?」
「聞いて無いのか?こちらへの着任と同時に軍曹へ昇進することになってるんだが……まあいいだろう。自己紹介が遅れたな、俺は佐伯、佐伯 雷也(サエキ ライヤ)だ。階級は中佐。この601強化猟兵隊の司令で、お前の直接の上司にあたる」
佐伯は話すと同時に、右手を差し出した。
「城沢です」
護もあわせて手を差し出し、握手を交わす。
「さて……と。城沢、まだこの部隊は本格的に発足する前だ。部隊の正式な発足と同時にお前さんの昇進も正式に通達される。あと、新しい軍服と大きな荷物は明日には来るはずだ。詳しくは天城にでも聞け」
「了解しました」
「まあ他には俺から言うことは無いな。質問はあるか?」
「一つだけ、よろしいでしょうか?」
「構わないぞ、何だ」
「その、強化猟兵とは何か……お教え願えますか?」
「……と、その質問ならボクが答えるよ」
壁際からやんわりと声が上がった。
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