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後ろからハイテンションな声が聞こえてきて振り返る。
髪を赤く染め、前髪をピンで上げているちょっと背の低い男、小野 佑人(オノ ユウト)がこちらに駆け寄ってきていた。
俺を"マサ"と呼ぶのはコイツだけだ。"ミヤビ"を"マサ"と素で読み間違えてからコイツは俺の事をそう呼ぶ。
『はよ……ユウは朝からテンション高ぇのな…』
俺は半ば呆れ気味に返事をした。
「おうよっww俺の取り柄だかんなv」
佑人は誇らしげにピースしながら言った。
『そうだった、ソレ だ け が取り柄だもんなぁw』
「ちょっ、だけってなんだよぉッッ!!俺だって俺だってッッ……」
ブツブツいじけだしたので俺はさっさと教室に向かう事にした。
階段を上ろうとした時に
「あ゙ッッ!!おいてかれたッッ!?おいてかないでよ~マサの阿呆ぉ!!」
という叫び声が聞こえたのは気のせいにしておこう……
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