ハジマリ

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  階段を上がると、廊下をのろのろとダルそうに歩いてる黒髪の奴を発見した。 『よう、トシ』 俺は歩み寄ってその男の肩を叩いて言った。 男、馬場 俊之(バンバ トシユキ)はやはりダルそうに振り向いた。唇に付けられたピアスが光って目立っている。 「……はよ……雅……」 そう言って俊之はまた歩き出した。 コイツはいつもテンションが低い。朝なんかとても。 そしてマイペース。 基本的にのんびりした感じだ。 でもキレると一番厄介だったりもする。
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